PBW。「プレイ・バイ・ウェブ」の略称で、オンラインゲームの一種である。
最近、私はこのゲームにハマっている。
その話を、今回はしたいと思う。
正直、PBWについての解説記事は探せばいくらでも見つかると思うのだが、私も書く。書きたいから。
PBWってどんなゲーム?
基本はRPG形式。
プレイヤーはキャラクターを作成し、そのゲームに所属しているクリエイターに立ち絵やアイコン、SSやボイスなどを発注し、自分好みのキャラを作れる。
この「自分好みのキャラ」というのがこのゲームのキモで、イラストセキュリティ(立ち絵に対するルール制限。たとえば種族が存在するゲームならヒューマンという種族に翼を生やすことができない、とかそういうやつ)に抵触しなければ好きなキャラデザを頼めるのだ。
文字数制限はあるが、500文字程度の短い発注文の中にこれでもかと自分の好きな要素を詰め込んで、自分の理想のキャラクターを作れる。
クリエイターはイラストレーターやライター、ゲームによってはサウンドクリエイターやボイスアクターなどもいるが、普通にプロのイラストレーターや小説家も参加しているのである。やべぇなヤバいです。
特に声フェチの私にとってボイスはとても助かる。サンプルを上げている方々もいらっしゃるので好きな声を聴き放題、気に入ったらその声で発注して自分のキャラのCVになってもらえるのだ。すごくないですか……?
で、好きなキャラクターを作成したら、次はシナリオ参加。
なにそれ? という方のために説明すると、RPGのクエストのように、自分の参加したいと思ったシナリオに参加して、自分のキャラを冒険させ、活躍させることが出来る。
シナリオはまず「オープニング」と呼ばれるシナリオのプロローグや依頼の内容が書かれた文章があり、それを読んで参加するかどうかを決める。だいたい4人とかそのくらい同時に参加できる。
そして参加すると決めたら「プレイング」と呼ばれる発注文のようなものを書き、具体的にうちの子にシナリオの中でどんな行動をさせるかを書き、送信する。
すると後日、「リプレイ」という形で、自分のキャラがどんな活躍をしたかが書かれた文章が返ってくるのである。
うちの子がカッコよく活躍した文章を読んで、感動に打ち震えよう。
同じ文章形態で「SS」もある。これはキャラクター1人から発注できる小説だ。
そのキャラクターの内面を深掘りしてもらったり、バレンタインとかクリスマスとかそういうイベントでうちの子が楽しんでいる様子を描写してもらえる。小説を読むのが好きな方にはピッタリであろう。
絵で見たい方はピンナップという一枚絵も発注できる。マジでなんでも出来てしまうゲームなのだ。
自分の想像している理想のキャラがいる。でも自分には絵心や文才がないので具現化できない……そんな方にオススメだ。
筆者がやってるゲームを紹介
主に
・Re:version様『PandoraPartyProject』(略称:PPP)
・Re:version様『Lost Arcadia』(略称:ロスアカ)
・アルパカコネクト様『Bullshit★Break』(略称:ブルブレ)
この3つだ。
もちろん、他にも多数のPBWが存在するが、中心として遊んでいるのがこの3つなので、他のゲームは是非検索してもらいたい。
注意事項としては、2024年2月現時点でPPPはサービス終了が近づいているので、もしプレイするならロスアカがオススメだ。
なにしろ、2月1日からスタートしたばかりの赤ちゃんPBWである。
更に言うと、ロスアカは2月~3月はモラトリアム期間になっており、この間にキャラの素地を固めておくように運営から言われている。
4月からは世界が崩壊し、ディストピアを楽しめる地獄のような展開のPBWなので、今のうちに始めておくのが吉。
参考のため、PPPとロスアカのキャラクターシートを例として提示しておく。
ちなみに、キャラクターシートの設定欄も(世界観から逸脱しなければ)ある程度は自由に設定できる。
PPP:獅子若丸
https://rev1.reversion.jp/character/detail/p3p010859
ロスアカ:ラピス・ラーズリー
https://rev2.reversion.jp/character/detail/r2p000280
ブルブレは魔族が主役のPBW。魔族キャラを作って遊びてえ! という方にうってつけなのだ。
ブルブレ:フロース・ウィリデ
https://alpaca-connect.com/world/Bullbre/?cId=0000007243
以上のキャラクターシートを見て、「はぇ~こんな感じなんだ」と感じ取ってもらえると嬉しい。
PBWの難しいところ
とまあ、これまで色々紹介してきたが、PBWはプレイする上でちょっと難しいと思うところもある。そのデメリットも併せて紹介しておこう。
・世界観、専門用語、覚えるのが大変
ゲームごとに世界観や専門用語が全然違う。
なんならクリエイターの名称も違ったりするのでややこしい。
とはいえ、世界観も用語もプレイするうちに自然と覚えていくし、逆説的に言うと覚えられなかったらゲームを継続することもないだろう。
最初は軽くゲームガイドに目を通して、特にキャラクターの種族ごとのイラストセキュリティに気をつければとりあえずキャラは作れる。セキュリティに引っかかったら運営からメールで警告が来るので対処してね。
・発注文を書くのが難しい
本当にこれが難しい。
まず500文字とかそのくらいの短文に自分の「好き」を目一杯込めなければいけないのだ。
髪の色、目の色、髪型や服装、体型や肌の色、種族による特徴をどこに出すか、立ち絵やピンナップであればどんなシチュエーションでどんなポーズをしているか……などなど。
まあ、髪や目の色、体型などはキャラクターシートに記載もできるので省略してもいいのだが、たとえば上記に挙げた「ラピス・ラーズリー」は、髪の色を黒に設定したあと、発注文で「インナーカラーはラピスラズリをイメージした蒼にしてください」と書いた。そういう例外的なことがあれば書かなければならない。
クリエイターもある程度は発注した人の意図を汲んでくれるが、基本的に発注文から内容を読み取る。
もし想像したものと違うものをお出しされても、発注文をきちんと書いて伝えられなかったユーザーに非があると言えるだろう。発注文に書いたのに違うのが出されたら怒っていいです。
まあそんな感じで、発注文に全力を込めなければいけないのだ。
・ロールプレイの難しさ
なんでも好きなキャラを作れるとは言ったが、異様に攻撃的・威圧的なキャラを作ると、他のプレイヤーとの意思疎通が難しくなる場合がある。PBWはプレイヤーみんなで作るゲームだ。プレイヤー1人1人が主役なのだ。相手を立てる気持ちも忘れずに。
仮に攻撃的だったり残酷な一面があるなどの性格設定をしたいなら、敵キャラに対してだけ、といった設定をしておくのが無難。
あまり周囲に嫌われるようなキャラメイクをしてしまうと、界隈から干される危険性があるので注意しよう。
・そもそも課金額がお高め
PBWは金のかかる大人の贅沢な遊び、という声はある。
参考として、2024年2月13日現在、ロスアカでは100RC=1150円。
ちなみに全身図を1枚発注するのに最低価格で400RC~かかる。
収入のない学生さんには正直ちょっと厳しい値段だ。
ただ、スマホゲーで考えてみてほしいのだが、運良く10連で出てくることもあれば、100連してもお目当てのキャラが出てこないこともある。私は某スマホゲーで欲しいキャラのために4万ほど費やしてようやく手に入れたトラウマがあるのだが、そう考えるとガチャ無しで確実に自分の理想のキャラを手に入れることができるのって、逆に安上がりではないだろうか?
クリエイターさんによっては、「このクオリティで、この低価格!?」みたいな信じられない出血サービスをなさっている方もいらっしゃるので、粘り強く探せば安く済む場合もある。
また、この課金額を抑える方法もあるので、紹介したい。
あなたもクリエイターにならないか?
課金額を安く抑える方法。それが、自分もクリエイターになることである。
絵が描ける、文章を書くのが趣味、あるいは声優志望だったり、楽曲制作が得意。
そういった創作に関するスキルが有れば、PBWのクリエイターの扉を叩いてみるといい。
だいたいのPBWではクオリティを担保するために試験を課されるが、それをクリアできれば誰でもクリエイターになれる。
クリエイターになると、その業績に応じてポイントを取得でき、それをゲーム内通貨や、ゲームによっては現金に交換できる。
ゲーム内通貨であれば収入にはならないので副業禁止の方にもオススメである。
依頼を受けて創作活動をする→ゲーム内通貨を得る→ゲームで発注できる、という循環でゲーム内の経済を回せるのだ。みんなWin-Winである。
興味があればぜひともクリエイター登録を考えてみるといいだろう。
私は文章能力を活かし、PBWのノベルマスター(略称:NM。ゲームによってはシナリオライター(SW)などとも呼ばれる)として活動している。
ノベルマスターになると、自分でシナリオを作って参加者を集めることが出来る。上記で示した「オープニング」を書いて参加者を募り、参加者に冒険をさせてリプレイとして出力する役割だ。他には依頼されてSSを書いたり。
文章で見ると難しそうだが、まあ試験問題も本番を想定しているので案ずるより産むが易し。なんでもやってみるといいと思うよ。
まとめ
以上、PBWについて紹介させてもらった。
お金がかかるゲームではあるが、自分の理想のキャラを手に入れ、その子が活躍する喜びは何物にも代えがたい。
是非自分の「好き」を込めたキャラを作って、ゲームを楽しんでほしい。
そして、課金が難しくてもクリエイターになる方法もあるよ! ということも、併せて紹介した。
結局PBWってやってみないとなかなか実感として湧かないものなので、立ち絵を発注するかはともかく、キャラクターシートを埋めるだけでもやってみるといいかもしれない。
そして、「この子の姿を見てみたい」と思ったら、初めて課金してみればいいのだ。
ただ、お財布に無理のない範囲で楽しんでいただきたい。
この記事を読んで、PBWに1ミリでも興味を持っていただければ幸いである。