ようこそ。
このページを読んでいるということは、貴方もかつて『呪い』に苦しんだ方でしょうか。
もしくは今も『呪い』に囚われている方でしょうか。
それとも、ただ興味本位でここに辿り着いただけかもしれませんね。
お好きな飲み物を用意して、どうぞ寛いでこの文章を読んでくださると幸いです。
創作者には『呪い』がつきまとうものです。
発信するだけでつきまとってくるアンチ、心無い言葉に傷ついた方もいらっしゃることでしょう。まあこれは無視してもいいし、ひどいようなら正規の手段に訴えてもいいのですが。ブロックするなり、通報するなり、法的手段にでも訴えればいい話です。
そんなものよりも深刻なのは、自分の内側から出てくる呪いです。
すなわち、自分と同等か、それ以上の存在に対しての『嫉妬』、そして『数字』への執着です。
SNSが普及した現代、昔と比べてあらゆる創作に簡単にアクセスできるようになりました。
その結果、「クラスで一番絵が上手い」とかそういう井の中の蛙状態にはなれなくなりました。ネットを見ればいくらでも自分より絵が上手い人なんてゴロゴロいます。
「自分の絵を見て!」とネットに公開したら悪意のある人間に叩かれる。でもそれ以上に、自分で自分の絵が上手くないことなんてとっくに自覚しているわけです。それが一番辛い。
そして、『嫉妬』と『数字』の呪いに取り憑かれる。
私がつい最近までそれらの呪いに取り憑かれていたので、呪われるとどうなるか伝えておきます。
まず、自分と同じくらいかな?と思う画力の絵描きが自分よりRTイイネ(数字)を稼いでいるのを見ると嫉妬します。何度マシュマロで嫌がらせをしてしまいそうになったことか。自分が怖くなりました。
そして、自分よりも画力が低い(と思っている)くせに数字を稼いでいる絵描きにも嫉妬します。
それに加えて、私、さいとうなおき先生とかプロの方にも嫉妬しちゃってたんですよ。笑っちゃうでしょ。自分をプロと同等だと思ってんのかって。自分でも笑うもん。
そして、絵が上手くなりたいなら練習や勉強をしなきゃいけないのに、上手い絵を見たくない。自分が嫉妬で胸焼けするのがわかってるから。そんなんで上手くなるわけがない。
周りのフォロワーや当時設置してたマシュマロにも、それを指摘するメッセージは届いていました。でも私はそれらを無視して、目を塞いだんです。
この『呪い』の厄介なところは、自分で気付いて自分と向き合って、自分で呪いを解かなきゃいけないんです。
私のこの文章を読んだところで、『呪い』に取り憑かれているあなたは、さっさとこのページを閉じて、別の耳触りのいい言葉を探しに行くかもしれませんね。
なんでこんな文章を書こうと思ったか、ですか?
Twitterのフォロワーの好きな絵描きさんもまた、『数字』の呪いに取り憑かれ、心を病んでしまっているのを見たからです。
その方も、心無い言葉に傷つけられ、復讐のために『数字』を追い求めているそうです。
かつて『呪い』に取り憑かれた立場から断言します。
創作者は『数字』を求める限り、永遠に救われません。
実際、その病んでしまった絵描きさんは17万人以上フォロワーさんがいらっしゃるんですよ。もう充分じゃないですか。
最終的にどこを目標にしてるんですか? 100万人? 1億人? もしかして、全人類の80億人まで目指すつもりですか?
数字は無限にあります。そして、上には上があって、世界で一番なんてなれないんです。
そもそも、絵の巧さって数値化できるものですか?
たしかに、イイネは「イイネ」って思ったからつけるものなのでしょうけど、単なるちょっといい絵を見かけたからブックマークしとくか~くらいの感覚でつけている人間もいます。そして、「フォローはしといたから、とりあえず絵を眺めるだけ」で見てはいるけどイイネをつけない人種もいます。このへんは最近のTwitterで閲覧数もツイートに表示されているので顕著ですね。
こんないい加減な数字に振り回されて幸せになれると思いますか?
だから、「『呪い』に取り憑かれた者は呪いを解かない限り、永遠に救われない」と書いたのです。
しかし、厄介なことに、この『呪い』を解くのは簡単なことではありません。一時的に『呪い』から解放されてもまた再発することもあります。
なぜなら、SNSでは毎日のように大量の「上手い絵」が流れてくるからです。世の中にはこんなに絵の上手い人がいるのかと驚いてしまいますね。
『呪い』を解く方法、それは自分の絵と向き合って、自分の絵を好きになることです。
ただ好きになるだけじゃありません。「自分のこの絵は自分だけのもの」と強く意識して、自分の絵が劣ってるとか優れてるとかではなく、ただ自分の絵であるだけで尊いと思えるほどに愛することです。
なんか難しそうですが、要するに絵を描いてて「ちょっといい感じに描けた、うふふ」と思えるようになることです。客観的に自分の絵が上手いとか下手とか関係ありません。自分から見て自分の絵を愛しいと思えるか。他人と比べて『嫉妬』していたり、『数字』を稼ぐことだけに囚われていては、一生辿り着けない領域です。
そして、不思議なことに、自分の絵が好きで、ただただ描くのが好きな人のほうが何故か他人からも自分の絵を愛してもらいやすい傾向にあります。
ちなみに、よく聞く「過去の自分と比べて成長しているかどうか」という観点は個人的にオススメできません。過去の絵のほうが上手くて凹むこと、結構あるんで。
過去は関係なく、今の絵を愛せるか、受け入れられるかが大事な気がします。
あとは、二次創作など『数字』を追い求めやすいジャンルには要注意。
数字欲しさに自分の描きたいと思ってないものを描いてしまって、それで数字も稼げなかったとなると目も当てられません。はい、経験談です。
そして、他人の絵にも敬意を払うこと。他人を羨まない、見下さない。みんな違ってみんないいのが絵じゃないですか。アンチに「下手くそ」って言われた? 気にすんな! 絵描きなら生まれついての天才でもない限り下手だった時期はある! そして、そこから這い上がって今の画力を手に入れた。あなただってそこに到れると先人が示してくれているのです。あなたには伸びしろがある。
こんなツイートを拝見したので、共有したい。
これは30代の絵描きに響きますね!!
— 96こげ【イラストの描き方】 (@xfoxyfox) 2023年3月24日
読んだら勇気が出る人も多いと思うので拡散しておきます! pic.twitter.com/JQhiLRRyUM
30代からでも充分画力は得られるし、40代50代になってから漫画家になった方もいらっしゃいます。
まあ、私は無理に絵が上手くなるの諦めて、好きな絵をのびのびと趣味として描きたいな~という方向にシフトしましたけど。仕事にしようと思わなければ、そういう道もある。
もしあなたが『呪い』にかかっていたら、それが解けることを祈っております。